🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男の雑記ブログです。週2回(月・木)更新中🎵

僕にとってのスーパーマン

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先日の統一地方選挙で、兵庫県の芦屋市長に当選した26歳の高島崚輔さん。灘中→灘高→東大→ハーバード大というとてつもない経歴は言うまでもありませんが、学生時代にずっとラグビーをしていたという点で、ちょっとだけ親近感を(一方的に…)感じてしまいました。まだ若いのに世の中にはすごい人がいるんだなあ〜って感心しながら、いつもの海岸線を車で出勤していました。その時カーオーディオからは、浜田省吾の曲が流れていました。amazon musicで最近は浜田省吾を好んで聴いています。今まで何度も聴いている”はましょー”のアルバムだったのですが、その日の朝は次の歌詞が頭にストンと入ってきました。

 

もし 15のあの夏に戻って そこからもう一度やり直せたら どんな人生を送るだろう?

 ー 浜田省吾「君と歩いた道」より

 

何年経っても自分の中身は15歳の時のままのような気もしますが、あの頃と比べて肉体は衰え、毎日ワクワクすることも少なくなってしまいました。15歳の夏に戻ることなんて絶対にできませんが、記憶だけは戻ることができます。芦屋市長になったすごい若者のことと、浜田省吾のこの歌の歌詞が僕の中で融合し、15歳の夏を一緒に過ごしたスゴいやつのことを思い出したのでした。

 

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彼は小学校の時からの同級生でした。4年生で初めて同じクラスになった時に、出席番号は遠く離れていたのですが、なぜか意気投合してクラスで一番の仲良しになりました。彼は勉強も運動も常にトップクラスでした。夏休みの宿題の作文や自由研究でも毎年のように賞をとってました。5年生から生徒会にも参加するようになり、6年生の時には生徒会長にもなりました。そんな彼はいつも僕と一緒に遊んでくれました。当時流行っていたファミコンで遊ぶことはなくて、近所の公園で野球をしたりして遊んでいました。おそらく彼はファミコンを持っていなかったようです。

 

中学校に進学しても彼はいつも成績がトップクラス…と言うよりも、ほとんどトップでした。彼は毎日きちんと学校の宿題をやってきていました。授業の時はいつも手を挙げて、先生の質問に積極的に答えていました。ある日、彼は僕に「授業中に先生に多く当てられた方が勝ちっていう勝負せん?」と誘ってくれました。僕も彼に負けないように必死に手を挙げるようになりました。

 

そんな彼が、休み時間に本を読むようになりました。彼が熱心に読んでいたのは田中芳樹の『銀河英雄伝説』でした。僕は「その小説、そんなに面白いの?」って聞いてみると、彼は「めちゃ面白いよ。貸してあげるから読んでみて」と言って、翌日全巻持ってきてくれました。彼は毎日1冊のペースで本を読んでいて、すでに3回通りくらい読んでいたので全巻まとめて僕に貸してくれたのです。僕はそんなに本を読むスピードが早くないので「これ全部読むのに結構時間かかるけどいいの?」って聞いてみたところ、彼は「田中芳樹なら他にも『アルスラーン戦記』とか『創竜伝』とか、読む本いっぱいあるから大丈夫だよ」って笑顔で答えてくれたのです。

 

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彼と僕は水泳部でした。今こうやって過去の記憶をたどってみると、彼とはずっと一緒に学校生活を送っていたことに気づかされます。彼と僕が中学3年生の頃、スイミングスクールに通っていた友人たちのおかげで、400mリレーで全国大会に出場することができました。スイミングスクールに通っていた友人は3人だったので、もう一人は中学校の水泳部員から選ばれます。当時は僕が一番速かったので、四人目の選手として僕が選ばれていました。しかし全国大会の直前に少し調子を崩し、僕は彼よりもタイムが遅くなってしまいました。練習でどれだけ頑張って泳いでも、彼の方がいつも僕より速く泳いでいました。

 

その時、僕はもうリレーメンバーから外れなければならない…って思っていましたが、水泳部の顧問の先生が、僕のためだけの練習をしてくれるようになりました。全国大会前日の特別練習の時は、他の部員たちはプールから上がって僕に掛け声をかけるという練習でした。僕よりも彼の方が速く泳げることを知っていた部員達は、あまり本気で掛け声をかけてくれませんでした。僕は一人で泳いでいて、とても気まずい気持ちになりました。でも、その時です。彼が他の部員に大声でこう言ったのです。

 

「おい、もっと声出そうよ!俺たちの代表選手なんだから!もっと声出して応援しようぜ!」

 

彼はその時、僕よりもずっと速く泳ぐ自信があったはずです。彼は常に学校の成績は一番でした。彼は誰よりも本をたくさん読んでいました。彼は中学校でも生徒会長でした。誰よりも優秀で、誰よりもスポーツマンで、誰からも慕われる彼が、自分よりも劣っている僕のことを「俺たちの代表選手」として精一杯掛け声をかけてくれていたのです。特別練習を終えた僕は水中でゴーグルを外し、悔し涙と嬉し涙の両方をプールの水に流してから、プールサイドに上がりました。そして「明日は精一杯がんばります」と、みんなの前で頭を下げました。心の中では彼に「ありがとうございました」とお礼を伝えました。

 

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その後、彼とは別々の高校に進学しました。僕と彼はそれぞれの高校で理系に進みました。久しぶりに通学中の彼に出会った時に「理系に進んだみたいだね?僕も理系だよ」って話しかけました。すると彼は「いや、俺は文系だよ。京都大学の法学部を目指しているんだ。国語や英語は自分で勉強できるから、数学を勉強するためだけに理系に進んでみた」って笑って答えました。そして彼は、その高校でトップの成績をとり続け、京都大学法学部には現役で合格したのです。26歳の若さで芦屋市長になった高島崚輔さんもすごいですが、僕にとってのスーパーマンは彼以外にいないなあって、朝の通勤中に思い出しました。

 

せっかくなのでもう一つ。水泳の全国大会の合宿の時に、同じリレーメンバーのスイミングスクールに通っていた友人に言われた言葉も、僕の人生を大きく変えるきっかけになりました。合わせて読んでいただければ嬉しいです。

・関連記事→「友人の”言葉”が僕の人生を大きく変えてくれた

 

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それではまた^ ^