できるだけお金をかけずに楽しむ方法

今から数年前に「自分の人生が有限」ということに気がついた僕は、朝から深夜まで仕事に忙殺される毎日が突然嫌になりました。翌日の朝、勤務先の病院に「今日で退職します」と告げ、準備していた退職届を提出しました。そして、それまで一日も使うことができていなかった有給休暇を40日分ほど申請し、すべての仕事を置き去りにして”プー太郎”になったのです。退職の理由は「家庭に重大な問題が起きて、この地に住むことができなくなった」みたいなことを書きました。医者が勤務先の病院を突然辞めるためには、これくらいのパンチが効いた理由でなければ難しいです。その日から収入はゼロ、でもその代わりに自分の自由な時間を腐るほど手に入れることができたのです。

事務的および社会的な手続きは若干煩雑でしたが、社会勉強になりました。一ヶ月くらいは何も考えずにゆっくりしようと思い、一日中ドライブをしたり、一日中図書館で本を読んだり、一日中ゴロゴロしたりしました。医者以外の仕事で何か稼げないか？ということで、パソコン一台あればできる仕事を探し、クラウドワークスでライターの仕事を始めてみたりもしました。そしてワードプレスで特化型の自分のブログも立ち上げて、どちらともそれなりに収益も得ることができました。

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しかし、いざプー太郎生活をしてみると、やっぱり自由な時間が余りすぎてどうにもならなくなりました。お金があれば長期の旅行とかにも出かけることができますが、住宅ローンも数千万円単位で残っていたし、そもそも働いていないので預金を切り崩して生活しなければならないレベルでした。奥さんからは「とりあえず、預金がゼロになるまではゆっくりしたらいんじゃない？」って言われましたが、さすがにそこまでの度胸は僕にはありませんでした。

その頃からか、僕は「できるだけお金をかけずに毎日を楽しむ方法」を考えるようになったのです。先日、以下のツイートをした時に、あるフォロワーの方から「富裕層！」というコメントをいただきました。

自宅の屋上ではじめます。 pic.twitter.com/spruI9gSdC

— ぐるぐるねこ男🌱 (@guru2_neko_man) 2023年4月9日

冒頭でも貼り付けた写真ですが、実は”プー太郎”になった頃から”これ”を始めました。僕の家は三階建てっぽい構造になっていて、屋上のような広いベランダがあります。そこには水道も引いているので、家を建てた当初は夏に大きなビニールプールを置いて、子供と一緒に水浴びをしながら日光浴なんかもしていました。でもそれから子供も大きくなり、その屋上スペースは使われないまま経過していたのです。プー太郎になってからはお金もなかったので、その屋上スペースで旅行気分を楽しめないだろうか？ということで、近所のホームセンターで人工芝を買ってきて敷き詰めてみたのです。すると、自分がイメージしていた以上の素敵な空間に早変わりしました。

リゾートホテルに旅行に行く代わりに、お酒と食べ物を持参で屋上へ上がります。飲み物は大抵スパークリングの白ワインです。これは決して高価なものではなくて、近所のリカーショップのワゴンセールで500円くらいのものを、月1回の15％引きの日にまとめ買いしておいたものなんです。パンやチーズはうちの奥さんのアルバイト先で廃棄にされるものをいただいてきて、冷凍して保存しておいたものです。レバーやソーセージは近所のスーパーの20％引きを狙って買ったものだし、レタスは家の畑で育てたものだし・・・こうやって振り返ってみても、本当にお金がかかっていないなあってあらためて実感しました。

音楽を聴きながら”屋上リゾート”を楽しみ、漫画を読んだり昼寝したりしていると、気がつけば辺りは薄暗くなっているなんてことはよくあります。家族の晩ごはんの支度をサクッと済ませ、今度はビールやウイスキーを持って屋上に戻ります。夜風を浴びながらビールで喉の渇きを潤しつつ、村上春樹を読みながら夕方の静かな時間を過ごします。たっぷりお金を使って「ハレクラニ沖縄」のような高級リゾートホテルへ旅行するのも楽しいです。でもお金をほとんど使わなくても、自宅でこれだけリゾート気分を楽しめるって、これまた最高の楽しみ方なのです。

それではまた^ ^