世の中はお盆休みですね。近所の図書館へ行ってみると、大学受験の勉強をしている高校生で溢れかえっていました。耳栓をして自分の勉強に集中している子もいれば、スマホをいじりながら隣の席の友人と話ばかりしている子もいます。僕も医学部受験の時は、図書館をフル活用していました。図書館が開くと同時に自習室にダッシュして一番端っこの静かな席を奪取します。そして昼食も食べず、席を立つのはトイレの時だけで、あとは図書館が閉館するまで永遠に勉強し続けました。夜は学費を稼ぐためのアルバイト(塾講師)をしなければならなかったので、自分の勉強ができる時間は図書館で”全集中”していたのです。
幸い一年間の猛勉強で国立大学の医学部に合格することができたのですが、この(本当に)平凡な僕がなぜ自分が望んでいた通りの結果を得ることができたのかを改めて考えてみました。実は僕、再受験をしています。ある大学の理系学部に通っていたのですが、一回生の時にどうしても(いろんな理由で)医学部に行きたくなってしまいました。再受験のために予備校へ通う学費なんて親に出してもらうわけにはいかなかったので、自分でアルバイトをしながら予備校生活を送ることになりました。そんなバックグラウンドを踏まえた上で、僕が医学部に合格できた3つの理由を掘り下げてみようと思います。
1.背水の陣を敷く
まず最初にしたことが「背水の陣を敷く」ことでした。僕は国立大学の理系学部に通っていたのですが、あることがきっかけで医学部受験を決意したのです。当初は大学生活を送りながらの受験勉強を試みたのですが、大学の講義や試験、友人との付き合い、サークル活動などがあり、十分な勉強時間が確保できませんでした。半年ほど仮面浪人という形で勉強したのですが、その年はもちろん不合格でした。箸にも棒にも引っかからないレベルの成績でした…。
不合格がわかった瞬間に「これじゃまずい!」と気がつき、両親や大学の友人の反対を押し切って大学を退学することにしたのです。そのまま進学卒業すれば、国家資格や優良企業への就職も確実だったと思いますが、一度しかない自分の人生だし「あの時、◯◯しとけばよかった〜」みたいに絶対に後悔したくありませんでした。「背水の陣を敷く」ことで自分自身の退路を断つことができ、前に向かって一心不乱に全集中できたのだと思います。
2.まわりに断言する
次にしたことは、医学部を再受験することを「まわりに断言する」ことでした。まず自分の両親に、そして大学の友人やアルバイト先の同僚など、自分のまわりの人間のほぼ全員に医学部受験することを断言しました。受験するだけでなく、必ず合格してみるということも断言しまくりました。また、春から通学する予備校の事務の女性には「医学部に絶対に合格するので入学金をまけてください!」と断言し、不合格だったら10万円の入学金を後払いするという約束まで取り付けました。
医学部を再受験することを「まわりに断言する」ことは、先ほどの「背水の陣を敷く」ことに似ているかもしれません。しかし、たとえビッグマウスと思われても「医学部に絶対に合格する」ということを断言しまくると、自分自身の退路を断つということ以上に、まわりの人たちから応援されるようになりました。応援してくれる人たちを裏切ることができないという気持ちが、さらに自分の勉強意欲を高めてくれました。逆にプレッシャーになるかもしれませんが、「まわりに断言する」ことは振り返ってみても絶対に必要だったなあと実感しています。
3.繰り返す
最後は医学部合格を決定づけた勉強法になりますが、自分がこれだ!と決めた問題集(基礎的で問題量の多い分厚い問題集がオススメです)を何度も何度も「繰り返す」ということが一番重要だと思います。僕が医学部を再受験した時は数学2冊、物理1冊、化学1冊、英語4冊(英文法、長文、英作文、単語)の同じ問題集を、一年間通して何度も繰り返し勉強しました。でも最初から最後まで何度も繰り返したのではありません。もう一つ重要なのは「問題を管理する」ことです。10回解いて10回正解する問題は繰り返しても時間の無駄です。
まずは問題集を最初から最後まで解いてみて、絶対に大丈夫な問題は◯、できなかった問題や不安の残る問題は×の印をつけます。そして2回目解いていく時は×印のものだけを解いていきます。2回目を解いてみて、今後何回解いても絶対に大丈夫だと思う問題は◯、2回目もできなかったり不安の残る問題は×の印をつけます。そうすると3回目は×印が2つついた問題だけを解けば良いことになります。テスト直前は×印の数の多い順に復習します。そうすることでどんな問題でも幅広く対応できる力をつけることができたと思います。
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世の中をざっと見渡していると、大学受験や高校受験などいわゆる「受験のための勉強法」というものは山のように溢れかえっています。本物もあれば中には商売目的のための”ニセモノ”もあるかもしれません。その数多くの勉強法の中から自分に合った勉強法を選び出すことはとても困難なことかもしれません。今日僕が記事にしたのは、いろんな勉強法に共通する3つのポイントだと思っているので、勉強法で迷っている方はぜひ参考にしてほしいです。あと、もう一つ。勉強に限らず、物事のやり方というのは3つあるんだということを知ってほしいです。その3つのやり方とは、以下の通りです。
1.正しいやり方
2.間違ったやり方
3.自分のやり方
僕は自分が取り組んでいるものに対して、いつもこの3つの”やり方”を意識するようにしています。よく分からないものや、初めてのものに対しては、最初はできるだけ「1.正しいやり方」を追求し、間違った方向へ行かないように気をつけています。でもそれが少しずつでも自分のものになってくれば、「3.自分のやり方」を意識して取り組むようにしています。日本武道や芸術の「守・破・離」の考え方に似ているかもしれませんね。
図書館で勉強している高校生に伝えたくて、今日はこんなことをつらつらと書いてみました。本当に図書館でこんなことを声に出して伝えたら、勉強の邪魔にしかならないと思うので(笑)
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<本日のブッダの言葉>
自分がつくり、自分から生じ、自分から起った悪が智慧悪しき人を打ちくだく。ーー金剛石が宝石を打ちくだくように。
『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村 元 訳より
それではまた^ ^