🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男の雑記ブログです。週2回(月・木)更新中🎵

前の職場から「帰ってきて欲しい」とお願いされた話

ぐるぐるねこ男

 

お先週末の話です。その日も仕事が定時に終わり、きれいな夕焼けを眺めながら、いつもの海岸線を車で帰っていました。最近子供と一緒に観た(観さされた?)アニメ映画「雨を告げる漂流団地」が意外に面白くて、そのエンディング曲を歌っている「ずっと真夜中でいいのに。」のアルバムを聴きながら、週末は何をして過ごそうかなあ?ってワクワクしながらハンドルを握っていました。残りの帰り道が半分くらいに差し掛かったあたりでした。以前勤めていた職場の上司から突然電話がかかってきたのです。あまり電話に出たくなかったのですが、無視するのも失礼だと思い、電話に出ることにしました。もちろんハンズフリーです。

 

今のゆとり生活を始めてから、その上司とは5年以上も連絡をとっていませんでした。本当に久しぶりの電話だったのです。電話に出てまずは通り一遍の挨拶をかわしました。そして「単刀直入のお願いがあって電話をかけました」という一言から始まり「絶対無理だと承知なんだけど…」とか「万が一にも、億が一にも可能性はないとは思うんだけど…」といった感じで、なかなか単刀直入の話が始まりませんでした。ずっと黙って聞き続けていたのですが、その上司は電話の向こうでずっとモジモジし続けたので、その”単刀直入の話”を引き出すために「一体どうされたのですか?何か大変なことでもあったのですか?」と尋ねてみました。すると電話の向こうでホッとした感じの上司は「実は、君に戻ってきてもらいたいんだ」と話を切り出してきたのです。僕に「もう一度、メスを握らないか?」というお誘い(というよりはお願い)の電話だったのです。

 

 

 

最近の医療業界では「外科離れ」が進んでいます。内科系やマイナー系(眼科・精神科・放射線科・麻酔科など)の診療科と比べて、圧倒的にキツくてしんどい外科系の診療科を選ぶ人が少なくなってきています。その上司の先生も僕が辞めてからずっと頑張って外科系診療を続けてきていましたが、知り合いから聞いた話だと、最近は手術ミスも多くて病院内からの評判も悪くなり、患者さんからの信頼もかなり低下しているとのことでした。僕が勤務していた頃は(僕のおかげで?)手術成績もよく、コメディカルの人たちとの関係も良好で、患者さんからも絶大な信頼があったと言いました。「ぐるぐるねこ男先生がいた頃は、仕事が最高に楽しかったんです…」と言われましたが、僕としては「そう言っていただけると嬉しいですが、もう開き直って生きているので、メスを握ることはおそらくないと思います」と丁重にお断りして、電話を切ることになりました。

 

その上司の先生だけでなく、病院スタッフの大勢が「僕の帰りを待ってくれている」というのは素直に嬉しかったです。しかしだからと言って、また「地獄の戦地の最前線」に進んで戻ろうなんていう気持ちは(薄情ですが)これっぽっちも湧いてきませんでした。最近は社会人でも「キャリアブレイク」の道を選ぶ人が増えてきているようです。キャリアブレイクとは数ヶ月から1年くらいの期間、仕事から計画的に離れることを言いますが、その期間に自己成長の機会を求めて新しいスキルを学んだり、場合によってはワークライフバランスを見つめ直すために家族とゆっくり過ごしたり、旅行に出かけたりする人もいると聞いています。僕自身も最初は「キャリアブレイキの期間にしようかな?」と思って退職し、そしてほぼニート(参考記事「孤独もそんなに悪くない」)になったのですが、そんな時間を過ごしているうちに「ん?やっぱり絶対にこっちの生き方の方が圧倒的に幸せじゃないか?」と思うようになってきたのです。そして元の職場(=地獄の戦地の最前線)に戻ることはなく、今のゆとり生活を選びました。

 

 

 

でも、最初から今のようなゆとり生活を選んでいたとしたら、僕はダメ人間になっていたかもしれません。僕の同級生には最初から眼科を専攻し、コンタクトレンズ店への名義貸しなどで働かなくても悠々自適の生活ができる人生を選んだ人もいます。開業したクリニックの経費で豪遊したりするならまだしも、怪しい美容クリニックみたいなことをして大金を稼いでいる医者もいます。そんな人たちに比べたら、まだ自分の人生って”まとも”だと思っています。さて、これから残りの人生をどう過ごすかですが、子供の頃から努力し続けたおかげで、老後のお金の心配をする必要はないくらいの資産を築くことはできました。

 

話は急に変わりますが、最近X(旧twitter)で以下のようなポスト(ツイート)が目に止まってしまいました。

 

ぐるぐるねこ男

 

転職サイトへ誘導するためだけの”ゴミ投稿”ではありますが、「今の若手社員」の多くがこうじゃないと思うし、「昔の若手社員」の中にもこのように考えながら仕事をしていた人はいました。でも”超ゆるふわ優良企業”を夢見ながら仕事をしていた人の多くは、まわりから認められるような立派な社会人は一人もいませんでした。まずは自分の置かれた場所で目の前の自分の仕事を全力でこなし、職場や社会に貢献しつつ、自分の経験値とレベルを上げることが重要だと思います。結果を出さずに「◯◯したーい」という感覚の人は、たとえ転職できたとしてもロクな仕事はできないとは思います。いずれにしても、僕の人生経験から言わせてもらえるなら「最初に苦労した人しか、後で楽な生活を送ることはできない」です。将来そんな生活をしたいのであれば、今からでも頑張るしかないんですよね。普段、こんな投稿にはあまり反応しないのですが、あまりに自分の感覚とずれていたので、ついつい反応してしまいました。また僕の座右の本(↓)を読み返して、一から心を鍛えなくてはならないと反省しております…。

 

 

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それではまた^ ^