「孤独」もそんなに悪くない

僕は今までの人生で「孤独」になったことが何度かあります。勤務先の上司からひどいパワハラを受けたり、その職場でやっていること自体が生理的に嫌になったり、人間関係でギクシャクするようになったりしたことなどが原因で、ある日突然職場を去ったような経験もあるくらいです。こんなことを書くと「ぐるぐるねこ男って、社会人としてダメなやつだな」ってお叱りを受けるかもしれませんが、当時の僕にとっては火事や津波から逃げるような気持ちでした。もしかしたら”うつ病”だったのかもしれませんが、その職場が「生理的に無理」と感じた僕は、「ここにずっといては危ないかも？」と自分の頭で考え、そして自分の判断で「その職場を去る」と決めてきました。人としてはどうかと（自分でも）思いますが、やっぱり自分の身が一番大事だし、僕が去った後も”何もなかったかのように”通常運転を続けていたので、今思えば「まあ、あれはあれでよかったんじゃないかなあ」という気持ちです。

仕事を辞めた瞬間から”自由の身”になることができます。もうパワハラ上司と顔を合わせることもないし、ストレスのかかる仕事で心身ともにボロボロになることもありません。それと同時に毎月の収入も無くなりますが、まあそれはいずれ何とかなるだろう…と楽観的に考えることができました。しかし、一番しんどかったのは「孤独」になることでした。社会から自分だけが切り離されたように思い始め、徐々に寂しいさを感じるようになってきたのです。ブログを開設したり、SNSを始めていろんな人と繋がることはできましたが、上辺だけの血の通っていない付き合いは僕の「寂しさ」を埋めてくれませんでした。あれだけ嫌だったパワハラ上司との日々が、少し懐かしく感じるようにもなったのです。

昔の友人はどうか？と言うと、お互いが忙しくて疎遠になってから何年も経過していたので、連絡を取って再会するのも”今更感”がありました。家庭を持って、朝から晩まで忙しく働いている友人に対して「ご無沙汰してます！元気にしてた？久しぶりに会って話でもしない？」なんてメールを送るのも気が引けました。嫌な職場から逃げ出した僕は、朝起きてから夜眠りにつく瞬間までたっぷりの自由時間を手にしたはずなのに、最初思い描いていたような生活を送ることができませんでした。そうなると、自分でできることって本を読んだり、旅行に出かけたりするくらいしかありません。以前書いた記事「人生は死ぬまでの暇つぶし」ではありませんが、本当に一日をやり過ごすためだけに本を読んだり、旅行に出かけたりしていました。そして銀行預金の残高は、日を追うごとにその数字を減らしていきました。

しかしそんな生活を続けていると、自分の中で少しずつ変化が出てきました。自分自身の内面と向き合う時間が増えてきたのです。孤独であるが故にそこには「自分」しかいないので、寂しさを紛らわすというわけではありませんが、自分自身と会話をする時間が増えてきたのです。最初の頃は「おい自分、なんでこんなことしてんの？」といった感じで、その時の自分が置かれている状況（＝ほぼニート）に対して何度も疑問を投げかけてました。自由な時間は手に入れたけれど、さしあたって何も仕事をしていなければ、お金はどんどん減っていきます。働いていないことに罪悪感と焦りのようなものを感じながら、僕は自問自答を繰り返していました。「銀行預金がゼロになるまでこのままでいいか…いや、ダメだろ！」とか「今の自分って生産性ゼロのクズ人間だな…」といった感じで、自分自身のことを責め始めたのです。そしてある日の朝、「ところで自分の強みって一体何なんだろう？」って考えるようになりました。

「寂しさ」から始まり、それが「自己否定」へと変化しました。そして「諦め」を感じるようになった時期を過ぎると「自分の強み」を探すようになってきました。振り返ってみると全く生産性のない数ヶ月で銀行預金残高は大きく減りましたが、その一方で自分の強みを活かした「自己肯定的」な生き方に向けて、新しくスタートを切る準備ができたのです。”うつ病”と言われればそれまでですが、この「孤独」な時間を過ごすことができたのは、自分にとって本当によかったと思います。もし、ずっと普通に生活をしていたら、こんな特別な時間を手に入れることはできなかったと思います。社会から自分を切り離すにはすごいエネルギーが必要ですが、長いようで短い自分の人生の中で、たまにはこんな「孤独」を味わってみるのも大切なのかもしれませんね^ ^

それではまた^ ^