🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男の雑記ブログです。週2回(月・木)更新中🎵

パワハラとレッテルの話

ぐるぐるねこ男

 

僕が研修医として働いていた病院に、とんでもないレベルのパワハラ上司が一人いました。その上司のことをこの記事ではP先生(パワハラの”P”)と呼ぶことにします。P先生を一言で表すなら「孤高の戦士」でした。数々の病院を転々としてきた経歴を持っていましたが、行く先々の病院でのパワハラが酷すぎて、数ヶ月で追い出されたこともあったそうです。表向きは「栄転」というカタチをとっていましたが、実際のところは「永久追放」でした。

 

P先生を押し付けられた病院はたまったものではありません。部下に対してのパワハラだけでなく、上司に対しても相当の勢いで噛みついていきます。関連病院にP先生を派遣していた大学医局からも「P先生はうちの医局のガンだ」というレッテルが貼られていました。できればそんな上司には絶対に遭遇したくなかったのですが、僕はクジ運が悪くてそのP先生が待ち受けている病院で研修する羽目になったのでした。

 

そのP先生に一番最初に言われた言葉は「オレはお前のことを3ヶ月で評価するから」でした。「死刑執行まで3ヶ月の猶予しかない」と宣告された気分でした。僕の働き方がP先生のお眼鏡に敵わなければ、僕は3ヶ月後に確実にパワハラで処刑されるのです。大学病院を出て市中病院で働くのは初めてだったので、仕事の内容はガラッと変わりました。緊急手術や救急患者さんの対応をはじめ、日々のやるべき仕事は山ほどあったし、覚えることや勉強することも先が見えないくらいありました。

 

 

 

そんな中、P先生はほとんど仕事をしていませんでした。P先生はその病院でも「孤高の戦士」でした。看護婦さんをはじめとするコメディカルの人たちから恐れられているだけでなく、他の診療科の先生たちからも倦厭されていました。P先生が恐ろしくて頼めない仕事は必然的に部下である僕に回ってきました。僕は昼夜問わず全力で仕事をこなしていましたが、P先生はいつも自分の机でニヤニヤしながらパソコンに向かっていました。そしてことあるごとに「この病院暇やろ?こんな暇な病院でお前なにしてんの?」と、今思い出してもイラッとすることばかり言ってました。

 

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そしてあっという間に運命の3ヶ月が過ぎました。その運命の期日を境にP先生の態度はガラッと変わってしまったのです。顔を合わせても会話は一切なく、挨拶をしても完全に無視されるようになりました。手術の助手に入っても「お前なんか必要ないから出ていけ」と一蹴されました。その翌日に手術の助手に入らなければ「お前、なんで手術に来ないんだ?研修医なんだろ?仕事舐めてんの?」と、ネチネチ1時間くらい(しかも手術中に…)説教を喰らったりしました。「オレがお前に貼ったレッテルは、二度と剥がれないからな」って真顔で言われ、それからも胃に穴が開くようなパワハラを受け続けたのでした。

 

病院の屋上へ続く薄暗い階段で1時間くらいうずくまって動けなくなる日もありました。「あいつはできないやつだ」っていうP先生の声が遠くから聞こえてきたことも何度もあります。「できないやつ」とか「ダメなやつ」というレッテルを貼られることが、いかに辛いことかっていうのが分かりました。ボロボロになった僕の姿を見るに見かねた病院長が、派遣元の大学医局に掛け合ってくれて、そのP先生を「栄転」というカタチの「永久追放」に追いやってくれたのでした。P先生の生贄として研修医の僕を捧げていた他の上司の先生たちは「やっと助かったね」と言って笑っていましたが、「助かったのはお前らだろ…」って心の中で思いました。もちろんP先生は誰からも送別会をしてもらえず、ある日突然、病院から姿を消したのでした。

 

 

 

このような経験があってから、僕は人に対して「レッテルを貼る」という行為をしないように気をつけています。今の職場でも「あの人は◯◯だから」といったようなレッテル貼りは多々見られますが、僕はその手の会話には絶対に入って行かないようにしています。また、自分の子供に対しても「うちの子はバカだから」とか「才能ないのよ」みたいなレッテル貼りもよく耳にします。僕は自分がP先生にレッテルを貼られて辛い経験をしたので、自分の子供に対してもレッテルを貼らないように努力しています。もちろん僕も人間なので、自分が思った通りに子供が行動してくれなければイラッとすることもありますが、そこはまず深呼吸をし、そして絶対にレッテルだけは貼らないように気をつけています。

 

自分自身に貼られるレッテルに関しては「他人に貼られたレッテルなんて、さっと剥がして捨ててしまえばいいや」って思えるようになりました。若い頃と違って「Who cares ?」の精神で生きていますので^ ^

 

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それではまた^ ^