🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男の雑記ブログです。週2回(月・木)更新中🎵

世に出してはならないレベルの医者

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これはマジでちょっと怖い話になりますが、僕たちが働く医療業界には「世に出してはならないレベルの医者」が実在しています。これは単に「ハズレの医者ガチャ」という言葉で片付けることができないレベルの話です。特に医者の手技や技量が、患者さんの命に直結してしまうような外科系の医者の中にも「世に出してはならないレベルの医者」が今もあちこちの病院に居座っていることが問題です。そんなとんでもない医者にかぎって、自分の技術がとんでもなく未熟で、手術のセンスが全くないということを認めようとせずに、ただ「手術をやりたい」という気持ちだけで診療に当たっているので、医療現場でも大変迷惑な存在になっていることが多いのです。

 

僕がまだ若かりし頃に勤めていた病院の某外科系の部長なんて、手術ミスのオンパレードでした。偏差値の高い国立大学医学部を卒業し、頭脳明晰で研究論文もたくさん書いて、大学教授の推薦で部長として赴任してきたのですが、手術に関しては目も当てられないくらい下手くそでした。僕たち若手の医師でも10回中10回成功するような基本的な手術でも、大小含め何らかのミスや失敗が、かなかりの高頻度(10回中7回くらい…)で起こっていました。手術中に大出血したり、大切な周辺組織を傷つけてしまったり、手術後に後遺症が残るようなミスを日常的に連発していました。手術を受ける患者さんは「手術で何が起こっても、絶対に文句を言いません」という”手術同意書”にサインをしているため泣き寝入りになります。そもそもそれが「ミス」や「失敗」とは知らされないため、事実が闇に葬られるのが常習化していました。

 

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また、手術をすればするほど、手術をした医者にインセンティブ(=お金)が発生するような病院もあるため、手術件数が多い病院だからといって決して安心はできません。外科医の中には自分の給料を増やすために、手術の必要のない患者さんにまで手を染めてしまうことがあります。もしそれが手術の上手い医者ならまだしも、お金儲け手技の病院にはインセンティブ目当ての(未熟な)医者が集まってくる傾向があるため、「こんな大きな病院で、先生もたくさんいて、すごい件数の手術をしているから安心だ」なんて思ってしまうとマジで危険です。下手くそなりにも数多くの手術を経験してくると、段々偉そうになってきて、口ではいいことばかり言うようになるし、失敗しても失敗とは思わなくなり、最終的には「悪くなったのは自分のせいじゃなくて、患者さんのせいなんだ!」と逆ギレするような外科医も世の中にはいます。

 

「世に出してはならないレベルの医者」を側から見ていると、人の命を何か「モノ」としか考えていないような印象を受けることが多いです。自分の大好きなおもちゃを、自分が好きなようにこねくり回して遊んでいるようにしか見えません。「こうやったら上手くいかなかったから、今度はこうやってみようかな…あっ、これも上手くいかないなあ…けどまあ仕方ないか、次はもっとがんばろーっと」みたいに、失敗を失敗として受け止めず、そして腹立たしいほどポジティブで、反省の色なんて全く感じられないことも多々あります。同じ病院のスタッフからも「あの先生だけには手術してもらいたくない」と陰で言われていますが、当の本人は全く気がつきません。

 

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最後に「世に出してはならないレベルの医者」を見分ける方法ですが、もうこれは病院の内部事情を多角的に聞き入り調査してみるしかありません。病院の内部に知り合いがいれば、かなり正確な情報をゲットすることができますが、緊急手術が必要な場合などはそんな時間なんてないのが実情です。以前、僕が勤務していた病院のスタッフさんが、急病を起こした自分の家族と一緒に救急車で病院にやってきました。その日はたまたま僕が救急当番だったのですが、救急車を急いで降りてきた彼女は僕の顔を見るなり「あ〜!ぐるぐるねこ男先生で良かったー!!」と声を上げて喜んでいました。もちろん僕は、そのご家族の手術を完璧にこなし、特に後遺症なく歩いて退院することができました。彼女の中の「医者ガチャ」が「ハズレ」でなくて本当に良かったと思います。もし病気になるのが一日でもずれていたら、おそらく今頃は・・・。

 

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それではまた^ ^