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黒字病院で行われていた”闇の部分”について

ぐるぐるねこ男

つい先日の話です。ずっと以前に勤めていた病院で事務職をしていた友人が、訪問看護ステーションを立ち上げて独立したということで、わざわざ僕を訪ねて挨拶に来てくれました。コロナ禍のせいでパッタリと途絶えていた交友関係も、こうやって少しずつ回復してくるんだなあって感じます。その友人と一緒に勤務していたのは田舎の民間病院でしたが、経営状態がとても良くて、全国的にも有名な黒字の病院でした。今日の記事ではこの病院を「黒字病院」と呼ぶことにします。

 

コロナ禍を含め、その友人と再会するのは実に10年ぶりくらいになります。どちらからともなく「黒字病院の頃は大変だったなあ…(笑)」という話になりました。全国どこを見渡しても病院経営というものはとても大変で、公立病院なんて黒字の病院を探すのが難しいくらいの状況の中、圧倒的な黒字経営を続けていたその「黒字病院」を支えてきた僕たちにとって、当時の過酷な勤務状況が今でもフラッシュバックで蘇ってくるのです。黒字病院は「いつでも、どんな患者さんでも、全力で受け入れます!」をモットーに、いかなる時でも診療を断られない病院として地域住民に愛されていました。

 

しかしその一方で、黒字病院で働く病院スタッフにとっては、かなりのブラックな職場でした。ルールを守って真面目に病院経営をしていたら、自然と赤字になってしまうのが当たり前の世界で、黒字病院の内部では他言無用の”闇の部分”もありました。例えば昨今の「働き方改革」によって、僕が今勤めている病院では「無理をしてでも有給休暇を取得しなければならない」という状況ですが、その当時の黒字病院(やっぱり「ブラック病院」にしようかな…)ではサービス残業が当然のように常習化していました。一人何役も仕事を押し付けられていたので、医者も看護師も事務職も時間内に仕事が終わる日なんて一日もありませんでした。毎日何時間も残業をし、深夜中に救急患者の対応で呼び出され、休日に朝から晩まで仕事をして(させられて)いましたが、時間外手当なんて1円もありませんでした。

 

 

 

僕が黒字病院に就職したての頃に、院長先生(もちろん”雇われ”)から「時間外手当てなんだけど、まあ、一応あるのはあるんだけど…」とお茶を濁すような感じで説明されました。そしていざ本格的に働き始めてみると「時間外手当なんて勝手につけんといてな!時間内に仕事が終わらないならサービス残業するしかないでしょ?」みたいな雰囲気に包まれた超ブラックな職場だったのです。このサービス残業に限らず、今思い出しただけでも「それって違法じゃん」みたいな際どい病院経営が随所に垣間見えていました。10年以上前の話なので、かなり記憶が薄れていますが、ここで思い出せるだけでも黒字病院の闇の部分について書き出してみようと思います。

 

<黒字病院の闇の部分>

・サービス残業は当たり前

・休日・夜間などの時間外手当は0円

・エレベーターの使用は3階以上の上りのみ

・下りエレベーターの使用がバレたら1時間の説教

・ミスプリントは全てメモ用紙に使用(患者個人情報あり)

・ペーパータオルの使用は一回に1枚まで

・退職した看護師の名前を使って7対1看護を維持

・一人三役以上は当たり前

・パワハラ常習化による院内カースト制度あり

・経営会議では事務職の男の子が殴られる

・未収患者さんの取り立てはナニワ金融道レベル

・生活保護の患者さんは(取りっぱぐれがないため)神様扱い

・各部署の経営目標の数字は、いかなる時も成長あるのみ

・目標を達成できなければ、数百万円単位で年収が下がる

・職員同士の評価が、お互いの給料に直結してしまうディストピア

 

と、思い出せるだけでもこんな感じでした。当時の職員さんと飲み会でもすれば、この10倍くらいのネタが出てくると思います。でもこれくらいやらなければ、病院経営なんてあっという間に赤字になってしまうのが現状なのかもしれません。

 

 

 

ここまで書いて今更感はありますが、黒字病院を含めた医療法人全体の経営を一手に担っていた人物は、自分一人が富を得るためにこのような荒々しいことをしていたわけではありませんでした。利益が出ればその金額に応じて毎年のように臨時ボーナスが出ていました。これは医師や看護師などメインの職員だけでなく、ヘルパーさんや送迎車の運転手、そして掃除のおじちゃんや売店のおばちゃんまで全職員一律の金額でした。しかも法人全体の理事長として踏ん反りかえっているばかりではなくて、自らも医師として外来診療や当直業務までこなしていました。このような末端の仕事をすることで、自分の病院が抱えている問題点や改善点が見えてくるのだと思います。やっぱり結果を出している人というのは、他の人が見えないところで努力しているのだということがよく分かります。

 

その一方で以前の記事「赤字の公立病院の働かない医者たち」でも書きましたが、当事者意識のない職員ばかりの病院だと、目も当てられないような酷い経営状況になってしまいます。どちらがいいかなんて正直よく分かりませんが、どちらの病院も経験した僕としては、もう二度と過去には戻りたくないというのが本音なんです。

 

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それではまた^ ^