つい先日の話になりますが、10年くらい所属していた地元の自治会から退会しました。僕の住んでいる地区は、それなりに人も多くて自治会の活動も盛んです。特に派手なのが”秋祭り”で、周辺地域の中でも一番立派な屋台を担いで、毎年みんなで大酒を飲んで大盛り上がりになっています。僕は子供の頃からそういうイベントはあまり好きではなく、また実際に仕事も忙しかったので、今まで参加したことはありませんでした。屋台の補修やお酒代など多額のお金もかかるため、毎年納める自治会費は1万円と高額です。
自治会に所属していると、回覧板というものが回ってきます。どうでもいいような連絡事項がプリントされた紙が何枚か挟まれたバインダーですが、今までに一度も中身をちゃんと読んだことがありません。近所の公民館にどさ回りをしている場末の演歌歌手がやってくるよ〜！みたいなお知らせをチラッと見たことがあるくらいです。この回覧板は月に4〜8回ほど回ってきます。回覧板が回ってくる順番が、我が家よりも前の家の人がポストに入っていることに気がつかずに、1週間遅れで回ってくることもありますが、大した情報なんてひとつもないので誰も困りません。
その回覧板を作って回す係を一度だけしたことがありますが、毎週のようにプリントの束が送られてきて、それを各バインダーに挟み、一番上流に当たる何軒かの家に持っていかなければなりません。送られてきたプリントが一枚足りないこともあり、その場合は自治会長の家に連絡しなければなりません。高齢な方が自治会長をしていると、電話にすら出てくれない（気がつかない？）ので、自治会長の家を近所の人に尋ねて直接訪問しなければなりません。（そして、不在だったりします…）
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自治会のルールに従って、2年毎に自治会の役員は変わることになっています。役員を選出するために投票作業をしなければなりません。誰が誰なのか分からない人も多いため、遠方から引っ越ししてきたばかりの人が突然副会長とかに選出されたりする悲劇も起こります。僕はこの”自治会役員”というしがらみが絡んだ患者さんを、今まで何人も診察してきました。役員させられたことが原因で”うつ病”になったり、頭痛を発症したりする人なんてよく見かけますが、自治会長にさせられたのを苦に、喉を刃物で刺して自殺を図ったような人もいました。
自治会に属していると、このような悲劇が将来の自分に降り掛かってくるリスクは当然あります。迷惑な役回りを押し付けられて、自治体のややこしい話や不平不満の相談に巻き込まれた挙句、毎年1万円もお金を納め続けなければならないということに、正直嫌気がさしてきました。秋祭りなどで一部の人間が楽しむために、自治会に所属させられて、強制的に集金されるような「悪き慣習」には付き合いきれないと判断し、自治会を退会することに決めたのです。
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まあでもやっぱり「お金」を奪われるよりも自分の「時間」が奪われることの方が大問題です。誰も読まないような回覧板を作成して回したり、夕食の時間帯に集会場に集まって会議に参加しなければならないなど、自分の中で最も価値のないこと（＝自治会）に対して、自分の中で最も価値のあるもの（＝自分の時間）を浪費することに耐えられなくなりました。
自治会を退会したい旨を今の自治会長（数年前に引っ越ししてきた若いご夫婦）に伝えたところ、快く了承してくれました。そして「ほんとめんどくさいよね…うちもやめたいわ…」とボヤいていました。みんな本音ではそう思っているんだと思います。いずれにしても「悪き慣習」というものはあちこちにあります。いつまでもそんな「悪き慣習」に自分の大切な人生を削られる必要なんてありません。そんなものに対しては、毅然とした態度で距離を置くことが一番なのです。
それではまた^ ^
