石川県加賀市の山中温泉まで、いつもの”ふらり旅”をしてきました。前日に金沢入りしてシティホテルに宿泊し、翌日は「まちのり」というレンタルサイクルを使って「兼六園」や「ひがし茶屋街」を観光し、近江町市場では昼間からちょい飲みをしてしまいました。ほろ酔い気分で電車に乗り込み、今回の目的地である山中温泉を目指しました。
今回選んだ温泉宿は、山中温泉「胡蝶(こちょう)」です。加賀百万石の雅miyabiな加賀懐石料理を楽しみたかったのと、松尾芭蕉が日本三名湯の一つに選んだ山中温泉にも一度行ったみたかったので、源泉掛け流し露天風呂付きの部屋がある宿を探していたら、こちらの旅館に辿り着きました。(決め手は「駅まで送迎付き」でしたが…)
選んだ部屋は…というよりは、2階建ての建物を一棟丸ごと借りる特別室「聚楽第(じゅらくだい)」です。昭和15年に建てられた由緒ある本格的な書院造りで、庭園を眺めながら食事をする1階には専用の露天風呂と内湯があります。平山郁夫の掛け軸など、さりげなく本物の美術品があちこちに置かれてあります。
続いて2階部分です。こちらも本格的な書院造りで、近江八景などを掘り込んだ欄間など、部屋全体が芸術作品のようでした。ちなみに2階部分は完全プライベートな空間なので、仲良くなったお部屋係の女性(=まりこさん)も、その点はすごく気を遣ってくれました。
庭園を一望できる寛ぎ空間もあります。ちなみにWi-Fiも完備されているので、美しい庭園を眺めながらブログを書いたり、PCで仕事をしたりすることもできます。僕はビールを飲みながら、読みかけの本を読みましたが。
ベッドルームもすごく広くて和モダンな感じでした。布団の下は床暖房の効いた畳で、暖かくて寝心地もすごく良かったです。ベッドルーム専用のお手洗いも付いているので、寒い夜はすごく助かると思います。
こちらは1階へ続く階段です。アンティークな雰囲気ですごく素敵な階段でした。14時早々にチェックインして少し休憩をしたのち、1階部分にある部屋専用の露天風呂へと向かいました。
こちらがお部屋専用の露天風呂です。ビールを飲みながら源泉掛け流しのお風呂に浸かっているだけで長旅の疲れが癒されます。ちなみにですが、冷蔵庫の飲み物は全て追加料金なしで飲み放題です。ビールやシャンパンだけでなく、ラムネやお茶も置いてあります。グラスも冷やされていたので、ついつい飲み過ぎてしまいました。
お風呂から上がったら休憩するスペースもあります。冷蔵庫の冷えた飲み物だけでなく、スタバのコーヒーやちょっとしたお菓子もあります。そして何よりもコーヒーカップがウェッジウッドだったりするところが、またいいんです。
蔵を利用した九谷焼の展示室もありましたが、館内のあちこちにさりげなく置かれている美術品も素晴らしいです。美術品や工芸品って、これみよがしに並べて展示されているよりも、こうやって何気なく置かれているものの方が映えるんだってことに気がつかされました。
露天風呂に浸かった後、2階でゴロゴロしながら本を読んでいたら、いつの間にか日が落ちて外は真っ暗になっていました。雨も降っています。庭に出て聚楽第を見上げてみました。建物は古いですがとても雅で贅沢な気持ちになります。
栗の木の一枚板で作られた縁側です。ここに座って雨に濡れた庭園を眺めるだけでも贅沢な気持ちになります。雨の音を聞きながら雅な気分を味わっていると、夕食の時間がやってきました。
古くから伝わる食材を中心に、僕たちのような旅人に「らしさ」を「食」で味わっていただきたいという懐石料理です。また、加賀独自の「九谷焼」や「山中漆器」が随所に使われていて、料理と器をどちらも楽しむことができました。雨が降っていて少し肌寒い午後だったので、地酒を熱燗でいただきました。安心感の伝わってくる料理で、とても美味しくいただけました。
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翌日、朝食をいただいてから旅館の周辺を散策しました。チェックアウトの時間が12時で遅めというのもありがたいです。カップルで渡ると仲が良くなると言われている「あやとりはし」から始まり、料理の哲人・道場六三郎レシピの「川床ロール」を食べることができる「鶴仙渓 川床」、そして最後は「こおろぎ橋」を渡り、お土産屋さんが立ち並ぶ温泉街に帰ってくるコースです。
川のせせらぎを聞きながら、マイナスイオンたっぷりの森の小道をのんびり散歩をするだけでも癒されます。さすが松尾芭蕉が認めた温泉地だと思いました。石川県の旅行割やクーポン券(平日なので一人3,000円/日)もフル活用しました。紅葉の季節や雪深い季節にもまた帰ってきたいと思わせる山中温泉旅行でした。
■ 山中温泉・日本が香る宿「胡蝶 KOCHOU」特別室・聚楽第
それではまた^ ^