中学生の頃、定期テストの国語で91点を取って学年1位になった。そのテストの数学は100点で、こちらも学年1位だったのだが、担任の先生(国語担当)は「数学の1位よりも国語の1位の方がすごいんだよ!」って、僕のことを職員室でベタ褒めしてくれた。数学は100点が5人くらいいたのだが、国語は単独1位だったようだ。その時の嬉しそうな担任の先生の顔を今でも覚えている。
僕が通っていた中学校は普通の公立校だが、同級生には秀才が多かった。振り返ってみると、最終的に東大や京大などの旧帝大や医学部に進学した学生が何人もいた。その中で塾にも通っていない僕が国語で学年1位を取れたのは、おそらく読書のおかげだったと思う。
同級生の影響を受け、中学一年から読書を始めた。本を読むことがすごく好きで睡眠時間を削ってでも本を読み続けた…というわけではなく、それほど読むスピードも速くなかったし、10ページくらい読んで疲れてテレビを観たりしたこともあった。仲の良かった友人(最終的に東大に進学)が毎日1冊本を読んでいたのに対し、僕は一ヶ月に1冊しか読んでいない時期もあった。でも、ゆっくりでも本を読んでいると、なぜか不思議と心が落ち着いた。
国語で1位をとった時は中国史にハマっていた。三国志から始まり、水滸伝、西遊記、そして孫子や韓非子なども読んでいた。一通り読んだ記憶はあるが、あまりしっくりこないことが多かったと記憶している。物語以外はほとんど覚えていないし、昔の中国の世界観に浸かりたかっただけで読んでいたのかもしれない。
最近、漫画「キングダム」を読むようになった。きっかけはアマゾンKindleの(実質)半額セールであった。以前より気になっていた作品だったので、思い切って全巻大人買い(もちろん半額)で読み始めたのだが、めちゃくちゃ面白くてどっぷりハマってしまった。その中で韓非子が出てきた。法のプロフェッショナルだ。中学生の頃は何も分からずに韓非子を読んでいたのだが、もう一度読みたくなって買い直した。そして目から鱗が落ちた。
法律による禁制をおろそかにして自分かってな謀略につとめ、国内の政治を乱れたままにして外国との交際とその援助に頼るという場合は、その国は滅びるであろう。
韓非子「亡徴」より
例えばこの文章。国が滅ぶ徴候とは如何なるものか?について、47に分けて具体的に説明された箇所なのだが、まさに今の我が国のことを言っているかのような文章だ。国の存亡についてだけでなく、一個人の心がけや人の善悪その他諸々、圧倒的に学びの多い書物であることにあらためて気がつかされた。
ブログ活動をしばらく休憩し、この韓非子を何度も繰り返し読んで勉強しようと思った。ブログなんか書いている暇があったら韓非子を読んで人生についてじっくり考える方がよいとさえ思った。しかし気がつけば、今日もブログを更新してしまった。記事の中身はどうであれ、なんでも続けることが大切なのだ。その点も再認識できてよかったと思う。
それではまた^ ^