先日うちの子が「英語だけがどうしても点を取れない…」とボヤいていた。塾にも通わず、一夜漬けのテスト勉強だけで、学年上位の成績を取ってくる実力者だが、さすがに英語という教科だけは日々の積み重ねが物を言う。そして「なんで小さい時からディズニー映画で英語の勉強させてくれなかったの?」と、こちらに牙を向けてきたのである。
確かに、小さい頃にそのような英語学習をさせたことはないが、近所のおばちゃんがやっている英会話教室に一年だけ通わせたことはある。その時は「英語なんてしたくない」と言って、一年で退会したのは自分なのに、どこで仕入れてきた知識なのか分からないが「英語ができる人は、小さい頃にディズニー映画を英語で観て勉強していた」という情報が、うちの子の頭の中を占拠しているようだ。
確かに、僕自身もいわゆる”受験英語”ですごく苦労したので、自分の子供には小さいうちから英語を勉強させておかなければ!という思いがあった。そしてその英会話教室に通わせ始めた経緯がある。それがどれだけ今役に立っているかは分からないが、親としてはやるべきことはやったと自負している。でも、うちの子とのそんなやりとりから、その「将来苦労しないために」という考え方はちょっと間違っているんじゃないかってことに気がついた。
親である僕が苦労したから、自分の子には苦労させたくないというその感覚。今までそんな気持ちで子育てをしてきたが、自分の経験の伝え方が根本的に間違っているのでは?ってことに(お風呂に浸かってキングダムを読んでいて、ふと)気がついたのである。自分の経験の伝え方の一つの案として「僕も楽しかったから、君も◯◯をした方がいいよ」ってのが、本来あるべき姿ではないかなって。
例えば英語に関して言えば、僕の家の近所に引っ越ししてきたアメリカ人のおじさん。ひょんなことから仲良くなって、おじさんの家で時々ホームパーティーをしているのだが、やっぱり英語が話せると楽しさは倍増する。クリスマスパーティーなんかになると、彼の家にはいろんな国から日本に移住してきた友達がやってくる。メキシコ人、フィリピン人、ニュージーランド人、中国人、ルーマニア人などなど、顔ぶれは多国籍だ。
彼らは流暢に日本語を使いこなすことができるが、外国人同士になると流石に英語オンリーになる場面が多い。そしてその時に少しでも英語が使えると、彼らの会話に入っていくことができて、心理的な距離がぐっと近くなる。下手なりも英語で会話をしていると圧倒的に楽しい。なので英語に関して言えば「お父さんは英語のテストですごく苦労したから、小さい時から英語の勉強を頑張らなければダメだよ」ではなくて、「英語が使えると外国人の友だちがたくさんできて楽しい。だから英語を勉強してた方が絶対に得だよ」というように自分の経験を伝えるべきだったかなあって、反省したのである。
「やっておかなければ将来困る」ではなく「やっておけば将来得する」といったニュアンスで自分の経験を伝える方が、絶対にワクワクして前向きに取り組めるはずである。これは子育てだけでなく、職場でも活かせる伝え方かもしれないな…って、風呂上がりにまたこんな取り止めもないことをツラツラと書いてしまった。最後に一言、『キングダム』は本当に面白い。
それではまた^ ^