🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男の雑記ブログです(月・木曜日に更新)

🆕✨屋久島に残る一気飲み大会の話(屋久島ふらり旅)

屋久島 プロペラ機

 

先週、何年振りかの屋久島旅行をしてきた。お盆休みを外すと少しだけ航空料金が安くなる。沖縄のようにメジャーな旅行先でないため便数が限られる。屋久島直通の飛行機だと料金が高くなるため、僕はいつも鹿児島経由で屋久島へ飛ぶことにしている。鹿児島からは小型のプロペラ機だ。離陸時にかなり揺れるので、いつも冷や汗をかきながらのフライトになる。「大きく揺れても大丈夫ですので…」と機内放送がかかり、安堵のため息があちこちから聞こえる。このプロペラ機の中では、いつも乗客同士の妙な一体感が生まれる。

 

屋久島 穴場

 

屋久島にも有名なリゾートホテルはあるが、クオリティの割に値段が高い。なので僕はいつも昔からの友人A君の家に泊めてもらっている。A君は屋久島生まれ・屋久島育ちという生粋の屋久島人で、中学生の頃からタバコとお酒を始めていたという猛者である。聞くところによると、高校生の頃は学校帰りに私服に着替えて先輩のお金でパチンコを打ち、閉店後には近所のスナックで午前3時くらいまでお酒を飲んでいたとのこと。

 

屋久島 穴場

 

屋久島に到着すると、空港には約束通りA君が車で迎えにきてくれていた。何年ぶりかの再会で本当に懐かしかったが、とにかくクソ暑いのでハグすることなくそそくさと冷房の効いた車に乗り込んだ。A君の家の近くには地元の人間しか知らない入江になった海があり、家に寄ることなくその海へと直行した。ウコン畑の横の獣道のような細い道を抜けていく秘境中の秘境である。スマホに防水カバーをかけ、水着に着替えた僕は透明度の高い海へ迷いなく飛び込んだ。魚たちも歓迎してくれていた。

 

屋久島 磯物

 

ひとしきり泳いだ後、その日の晩酌のアテにする磯物(イソモン)を採ることにした。毎度のことながら「この辺りには漁業権なんてないから大丈夫」と言いながらA君は黙々と磯物を採っていた。収穫した磯物、鹿肉、地の魚などを焼きながら、地元の芋焼酎「三岳(みたけ)」を酌み交わした。近況報告やいつものバカ話に加え、今回は屋久島に残る(そして現代社会では完全に禁じられている)一気飲み大会の話が聞けた。あまりにもバカバカしい内容なので、この話は最後まで取っておくことにする。

 

屋久島 カヤック

 

翌日はリバーカヤックだ。A君の顔効きもあり、びっくりするくらいの格安価格で(しかも時間制限なく)楽しむことができた。屋久島でのA君の顔の広さにはいつも驚かされる。そして生まれや育ちや学歴なんて、生きていく上でそれほど重要ではないんだということも再認識させられる。

 

屋久島 カヤック

 

屋久島にはあまり娯楽が無いため、パチンコで身を滅ぼす人が多いとA君から聞いた。パチンコで多額の借金を背負い込み、返済不能となってどこかの高い橋の上から川に飛び降りて命を落とす人がいるとかいないとか…。高校生の頃からパチンコ通いをしていたA君の言葉には、なんとも言えない説得力があった。

 

屋久島 カヤック

 

とにかく屋久島の自然は美しすぎる。川の水は息が止まるほど冷たいが、思い切って(ゴーグルをつけて)川に飛び込むと、そこには川魚が群れを成して泳いでいた。今回の旅行で初めて知ったことなのであるが、屋久島の電力は豊富な水資源を使った水力発電で100%賄われているとのこと。化石燃料や原子力に頼ることなく、再生可能エネルギーのみで生活できるのは、世界遺産の名にも恥じない素晴らしい島であることを証明している。

 

屋久島 千尋の滝

 

そろそろ屋久島旅行の終わりが近づいてきたので、先ほどの「一気飲み大会の話」に戻ろうと思う。A君の住む地域には、昔ながらの一気飲み文化が残っている。日本全国を見渡してみても、一気飲みが「大会」として公式に残っている自治体は皆無のはずだ。今までに一気飲みで多くの若い命が失われてきた。全国的にも一気飲みは禁止のはずだ。しかしA君の住む地域では、毎年夏祭りの時期に生ビール中ジョッキの一気飲み大会が開催される。誰よりも早く飲み干すと優勝で、A君は向かうところ敵なしのグランドチャンピオンなのだそうだ。

 

屋久島 茶

 

生ビール一気飲み以上にもっと信じられない大会がある。それはその地域の運動会で行われる一気飲みリレーだ。1チーム15人で、空のコップをバトンにしてリレー形式に一気飲みをし続けるという大会だ。スタートラインから15mくらい離れたところにテーブルがあり、空のコップを持ったランナーがそこまで走ると、村の若い(?)女性がそのコップに焼酎(50%希釈)を並々と注いでくれる。そして焼酎を一気に飲む。コップが空になったことを確認してもらい、ランナーは次の走者(=飲む人)が待つスタートラインまで走ってバトン(=空のコップ)を渡すという過酷なレースだ。

 

屋久島 海

 

2巡目からは一人で何杯飲んでも良いというルールで、自分のチームの一升瓶を最初に空っぽにしたチームが優勝とのこと。お酒にめっぽう強いA君は、2巡目はいつも立て続けに何杯も飲み、そしてスタートラインまで戻ると次は隣のチームの鉢巻を巻き、違うチームのバトン(=空のコップ)を受けて走り続ける(そして飲み続ける…)ことができるくらいの猛者なのだそうだ。「15人だけど最初の方の飲める人を並べとくのが勝つコツなんよ」と笑いながら必勝法について語っていた。

 

屋久島 磯物

 

それにしても屋久島の海は本当美しかった。透明度が半端なく、陸の上からでも海の底がはっきりと見えて、泳いでいる魚もクッキリと見えるような入江もある。沖縄なんて観光業界の利権が絡んでいるのか、勝手にシュノーケリングをすることが禁じられている。それに対して屋久島なんてシュノーケリングも自由だし、そもそも普通にゴーグルつけるだけで魚たちと泳ぐことができるし、自由度が高い(=ちょっと危険な)遊びが思う存分できる。磯物を採ってBBQするのも自由だし、生活の一部がレジャーになっているのである。

 

屋久島旅行

 

また来年も、美しい屋久島に遊びに行こうと誓った。

(※JALの美しいCAさん目当てではありません)

 

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それではまた^ ^