🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男の雑記ブログです(月・木曜日に更新)

「税金を使って医者になれたんだから」って言われても…

ぐるぐるねこ男

 

「国立大学医学部出身の医者って、みんなの税金使って医者になれたんだから、安い給料で激務の病院でも、文句を言わずに働くのはあなたたちの義務だ!」

 

「でもね、私たち私立医大出身の医者は、ちゃんと自分で高い授業料払って医者になったんだから、待遇のいい楽な病院で働く権利は優先的にあっていいはず!!」

 

つい先日、私立医大出身のお医者さんがこんな話をしていたと知人(=国立大学医学部出身)から聞きました。確かにその言い分は一理あるかもしれないけど、かなり傲慢な考え方だと思いました。僕は国立大学出身の医師ですが、当時の入学金は25万円くらいで年間の授業料は50万円くらいだったので、6年間で350万円くらいの学費がかかりました。ちなみに僕は奨学金とアルバイトで稼いだお金で全額自力で払いました。その一方で私立医大は6年間で2,000〜4,000万円もの学費が必要で、平均すると国立大学医学部の学費の10倍くらいかかります。こうなると”お金持ち”の人たちにしか門戸が開かれていない世界になってしまいます。

 

じゃあなんでここまでの学費の差が生まれるかと言うと、冒頭で私立医大出身のお医者さんが言ってた”税金”が大きく関わってきます。医師一人を育成するのに数千万円かかると言われていますが、私立医大の学生さんはその費用を全て自分(正確には親や親族だと思いますが)で負担しなければなりません。一方で国立大学医学部の学生は数千万円の不足分の費用を税金で補填してもらえることになります。僕のように裕福でない家庭に生まれた人間にとっては大変ありがたいことだし、今でも感謝しています。

 

医師免許を取得し、大学病院で勤務し始めた時は、手取り10万円くらいの給料が半年くらい続きました。どんなに安月給で激務でも、しっかり勉強して世の中に恩返しをしようという気持ちでいっぱいでした。多くの同級生は同じように身を粉にして働いていましたが、その一方で医師免許取得と同時に眼科医になり、コンタクトレンズ屋に名義貸しをして”自動お金製造マシーン”を作り、自分の趣味(ラジオのパーソナリティやDJなど)に走ってしまった同級生もいました。

 

 

 

いろんな病院で働いていると私立医大出身の先生と働くこともありますが、中にはすごく優秀で努力家で人格者の先生もいます。基本的にボンボンで(笑)毛並みと育ちが良いため、人間的にすごく余裕があって優しくて、患者さんにはとても評判がいいです。その一方でたたき上げの国立大学医学部出身のお医者さんの中には”自分に厳しく!他人にはもっと厳しく!!”みたいな人格者もいます。圧倒的に診療能力が高くて医師としては非常に優秀なのに、患者さんや病院スタッフから毛嫌いされているような残念な国立大学医学部出身のお医者さんもいます。

 

となると、医療の現場に出れば生まれや出身大学など一切関係なく、どちらの方向に向かって仕事をするのか?ってことが大切になります。自分の都合で自分のために仕事する医者は周りから冷たい目で見られるようになり、病院スタッフのために仕事をする人は病院では人気者になります。でもやっぱり一番大切なのは、患者さんのために仕事をするという意識だと思いました。これは僕が実際に感じたことですが、病院スタッフのために(忙しい時は救急車を受けないとか…)仕事をするよりも、患者さんファーストで仕事をする方が、病院スタッフからの信頼は厚くなります。

 

どんな仕事でもそうだと思いますが、目の前の自分の仕事をただこなしてお金を稼ぐだけでは正直飽きてきます。知り合いの高級取りの医師が「楽しみは預金残高の数字が増えることくらいしかないよ」とボヤいてました。その先生は、自分の都合で仕事をする典型的な人間なので、病院スタッフからは陰で悪口ばかり言われています。陰口叩かれても自分の耳に入らなければ「仕事は自分中心で楽な方がいいんだ」と言えばそれまでですが、でもやっぱり同じ時間を仕事に費やすのであれば、たとえ効率が悪くても誰かに感謝されるような仕事をしたいものです。

 

どこへ向かって、誰のために仕事をするのか?自分の都合だけで仕事をしていないか?時々立ち止まって、これらのことをその都度再確認する必要がありそうですね^ ^

 

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それではまた^ ^