🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男(医師)の日記

大学病院の先輩ドクター

僕がまだ研修医として大学病院に勤務していた時の話です。同じ診療科の医局にとてもユニークな先輩ドクターがいました。その先輩は、医局員全員が認めるほど能力の高い優秀な医師でしたが、仕事ぶりがとにかく不真面目でした。正確には優秀すぎて仕事が一瞬で終わってしまうので、一日中仕事をサボっているように見えてしまうのです。医師としての仕事に関しては(研修医の僕が言うのもなんですが…)全く落ち度がありませんでした。

 

僕はその先輩にいつも絡まれていました。大学病院の研修医は一般病院と比べて雑用が多く、毎日夜遅くまで働いていました。その先輩は朝のうちに仕事をさっさと終えて、当直室で一日中漫画を読んでいます。そして僕の仕事が終わる時間帯(夜の10時頃)になると、目を擦りながら(寝てた?)ふらふらとナースステーションにやってきます。そして「仕事終わったらボチボチ出かけようか」と言って、鼻くそをほじりながら僕の仕事が終わるのを待ち続けるのです。

 

「お先に失礼します」と看護師さんに挨拶をしてからが、僕たち二人の長い夜の始まりになります。まずその先輩の車の助手席に乗り込んで、夕食に連れて行かれます。給料がとても少なかったので(手取り14万円くらい)、毎晩のように奢ってくれるのはありがたかったのですが、真夜中に焼肉などかなりヘビーなものが多くて大変でした。また先輩は見た目もカッコよくて話し上手だったので、可愛い女の子を連れてきて一緒に食事をすることもよくありました。

 

深夜のヘビーな食事が終わったら、次はゲームセンターに連れて行かれます。そして当時流行していた「ダンス・ダンス・レボリューション」というダンスゲームを二人で1時間くらい踊って遊びました。この時点で午前2時をすぎていることが多かったです。踊り疲れたら最終的に先輩の家へ連れて行かれ、朝4時くらいまでDVD鑑賞です。先輩とっておきの感動モノDVDで、「ここめちゃ泣けるやろ〜?」と涙を流しながら一緒に明け方まで鑑賞させられていました。

 

外が明るくなる頃にやっと解放された僕は、ふらふらの状態で自分の部屋へ帰り、深い沼に沈んでいくように眠りこけていました。そして数時間だけ寝て、またいつもの一日が始まるのです。そんな大学病院での生活が半年くらい続きました。その後、僕たち研修医は大学の関連病院へと旅立つことになるのですが、その先輩が毎日明け方まで僕を連れ回してくれていたおかげで、僕は徹夜の仕事が全く苦にならなくなりました。先輩と遊び倒していた日々は決して無駄ではなかったと、自分自身に言い聞かせたことを今でも覚えています。

 

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<本日のブッダの言葉>

水道をつくる人は水をみちびき、矢をつくる人は矢を矯め、大工は木材を矯め、賢者は自己をととのえる。

『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村 元 訳より

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それではまた^ ^