🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男の雑記ブログです。週2回(月・木)更新中🎵

マボロシの時計

ぐるぐるねこ男

 

「大好きな韓国に移住して働きたい」って以前から言っていた僕の友人。その念願が叶い、この春から韓国に移住して働くことになったそうです。彼は僕よりもずっと歳下の青年なのですが「自分の人生は短い」といつも言っていて、「やるべきこと」よりも「やりたいこと」を優先する人生を送っていました。”人生は選択の連続”って言われますが、彼のような生き方をしていれば、人生最後の死を迎える瞬間でも「あぁ、いい人生だったなぁ…」って思うことができるはずです。僕も後悔しない人生を送ってきたつもりですが、もっと危険な橋を渡ってみても面白かったのでは?とも思います。

 

韓国といえば、20年くらい前に一度だけ旅行したことがあります。海外旅行は今までの人生で2回しかしたことがありませんが、社会人になったばかりの時に先輩達に誘われて、初めての海外旅行をしたのが韓国でした。

 

 

 

その当時、タクシーに乗っても店でお土産を買っても全て日本語での会話が通じました。今では考えられないくらい韓国の物価は安かったという記憶が残ってます。露店をしている人たちが、お昼休みになるとタッパーに入れておいたキムチをおかずにして、白いご飯を美味しそうに食べている場面が印象に残っています。空港から町中まで、あらゆるところにキムチの香りがしていました。韓国人にとってのキムチは、日本人にとっての梅干し以上の存在なんだろうなあって思いました。

 

社会人になったばかりで長期休暇もまともに取れなかったため、その韓国旅行はマジの弾丸ツアーでした。上司に嫌な顔をされながら取得したせっかくの休みだったので、時間と体力とお金の許す限り観光しまくりました。僕たちの観光は深夜にまで及び、昼間賑わっていた商店街にはほとんど人の姿が無くなってしまいました。そろそろホテルに帰って寝ようかなと話をしていたところ、婦人服を売っている店の前に、店員さんらしきおじさんがポツンと立っていました。そして僕たちを見つけたそのおじさんは、こちらにふらふらと近寄ってきてこう言ったのです。

 

「マボロシのとけいあるけどどう?」

 

何か事件に巻き込まれるのも嫌だったので「やめときましょう…」って僕は言ったのですが、先輩たちは「え、幻って何?おっちゃんそれ見せてや(笑)」と言って、そそくさとおじさんいついて行ってしまいました。仕方なく僕も先輩たちの背中を追いかけたのですが、その婦人服のお店の奥にはカーテンに隠された扉があって、その扉を開けると細い通路から地下へと螺旋階段が続いていました。階段を降りると、そこにはまた扉がありました。おじさんはその扉の鍵を開け、僕たちを部屋の中に導き入れました。一番最初に入った先輩の一人が突然叫び声を上げました。

 

「おぉぉぉお!すげーーっ!!」

 

なんとその部屋の陳列棚にはロレックスの腕時計がずらーっと並べられていたのでした。ロレックスだけでなく、ルイヴィトンやプラダのバックも所狭しと陳列されていました。おじさんは「マボロシのとけいはいちまんえんです」と言って、僕たちにロレックスのヨットマスター(当時:数十万円相当)を勧めてきたのでした。彼はホンモノともニセモノとも言わず、そこに陳列されていたブランド商品全てを「マボロシ」と呼んでいました。

 

 

 

偽物のブランド品を個人で使用する目的で、購入したり所持するのであれば商標法違反になならないそうですが、僕はその一万円の「マボロシ」には手をつけませんでした。そのロレックス(マボロシ)を買った先輩が後日、「あのマボロシだけど一週間で動かなくなったよ(笑)」って笑っていました。深夜の異国の商店街で、怪しいおじさんと一緒に秘密の地下部屋へ行くようなリスクなんて今後は絶対に犯したくありませんが、でも振り返ってみるとこれが「危険な橋を渡る」ってやつなんでしょうね…。

 

やっぱり僕は”普通の人生”でいいです(笑)

 

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それではまた^ ^