あるお金持ちの人が、ガチョウと白鳥を一緒に飼っていました。白鳥は歌を歌わせるために、そしてガチョウは食べるために飼っていました。
いよいよガチョウが食べられる夜がやってきました。しかし、真っ暗な夜だったので、どちらがガチョウかよくわかりませんでした。
暗闇の中で白鳥は、ガチョウと間違えられて連れて行かれました。いよいよ死ぬという瞬間に、白鳥は思わず悲しい歌を歌ったのです。
すると、その歌のおかげで白鳥だとわかりました。素敵な歌声のおかげで殺されずにすんだのです。
芸があると死なずにすむことがあるというお話です。
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これはイソップ物語の中の「白鳥」という話です。僕はこの話を読んで、今の自分にピッタリ当てはまると思いました。僕は今、週4日しか働いていません。主な業務は外来診療なのですが、患者さんが少ない日は一日数人しか診察をしていません。それでも年収は1,600万円です。通常ならパートにされて給料を減らされたり、最悪の場合はクビになることも覚悟しなければなりません。イソップ物語のガチョウのように殺されても文句は言えないと思います。
でもこんな僕が、なぜこのように優遇される立場に居続けることができるかというと、僕にしかできない特別な医療技術を持っているからなのです。その技術について、ここでは具体的に書きませんが、このオンリーワンの技術のおかげで僕はイソップ物語の白鳥のように死ななくてすんでいるのです。(むしろ愛されるレベルです)
僕がまだ研修医をしていた頃、僕のことをイジメまくっていたパワハラ上司が「医者は腕があればどこでも生きていけるんだ」と(偉そうに)豪語していました。有言不実行で全く尊敬することができないような上司だったのですが、最近はその言葉がすごく身に染みてわかるようになってきました。
どんなことでもよいので、自分にしかできないこと(例えばアラビア語とか)を武器として持つことはすごく大事だと思います。そのオンリーワンの武器は生まれながら持っている場合もありますが、今からでも努力すれば身につけることができる武器も必ずあるはずです。(例えばスワヒリ語とか)
皆さんも何か一つ自分にしかない武器を身につけてみてはいかがでしょうか?それは最強の武器となり、いつか絶対に自分のことを助けてくれると思います。この白鳥の歌声のように^ ^
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<本日のブッダの言葉>
生きとし生ける者は幸せをもとめている。もしも暴力によって生きものを害するならば、その人は自分の幸せをもとめていても、死後に幸せが得られない。
『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村 元 訳より
それではまた^ ^