数年前に急性期医療の最前線から退いたことがきっかけで、僕の考え方は大きく変わりました。これからの人生はできるだけシンプルに生きてゆこうと。ミニマリストになろうといている訳ではありません。今は自分のまわりに必要最低限のものだけを残し、無駄なものに対してエネルギーを使わないように心がけています。
今まで所属していたいくつかの学会を全て退会しました。それに伴って専門医や認定医の資格を失いましたが、実際のところそれらは単なる肩書きであって、その後の医師生活に困ることは全くありませんでした。肩書きを維持するためにお金を納めたり、年に何回も学会に出席しなければならなくて、年間のコストは数十万円くらいかかっていました。
また大学の医局との縁を切りました。医局という組織に属していれば関連病院への就職を斡旋してもらえたり、治療の難しい患者さんをお願いすることもできるのですが、逆にある日突然「人が足りないから◯◯病院へ転勤してください」といった命令が下されることもあります。また毎年数万円の医局費を請求されます。僕は他人に自分の人生をコントロールされたくないので、医局との縁を切って本当に正解でした。
”シンプルに生きる”ということは、身の回りにあるものをどんどん捨てまくってミニマリストになるということではないと思います。シンプルに生きるということは、自分自身を取り巻くいろいろな環境・モノ・人の中から、今の自分にとって価値のあるものだけを一つ一つ丁寧に選んでゆく作業だと思います。
今の自分にとって価値のあるものだけに集中して、これからもよりシンプルに生きていきたいものです。あと、余分な贅肉は自然に落ちてくれるものと信じています^ ^
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<本日のブッダの言葉>
人々は多いが、彼岸に達する人々は少い。他の(多くの)人々は此方の岸の上でさまよっている。
『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村 元 訳より
それではまた^ ^