🌀ぐるぐるねこ男ブログ🌀

ぐるぐるねこと一緒に暮らしている男(医師)の日記

交通事故で命を失った男の子の話

ぐるぐるねこ男

僕の息子が交通事故で怪我をしてから、加害者側の保険会社と「過失割合」について話し合いを続けています。最近ゴールが少しずつ見えてきてホッとしています。交通事故って被害者になるのも加害者になるのも本当に嫌なもんだなあと考えていたところ、ある交通事故で救急搬送されてきた2人の患者さんのことを思い出しました。

 

その2人の患者さんというのは親子でした。30歳の母親と3歳の男の子で、母親の運転する軽自動車の助手席に息子さんが乗っていたのですが、チャイルドシートを設置せず、助手席に男の子を横にして、シートベルトもつけずにそのまま寝かせていたという状況でした。見通しの悪い深夜の峠道で、急に現れた対向車に驚いてガードレールに激突して救急搬送となりました。

 

病院から電話がかかり、僕は急いで救急初療室に駆けつけました。母親の方は両脚の骨折があったので整形外科の手術になりました。そして子供の方は、全身を強打していて意識不明の重体でした。病状的に僕たちのチームがその子の治療の担当となり、救命目的の緊急手術が始まったのです。

 

全身麻酔をかけ、全速力で血腫除去や止血手術をおこなったのですが、徐々に血圧が下がってきて、脈拍も弱くなってきました。昇圧剤を大量に使っても血圧を維持することができなくなり、心拍が停止したため手術中に心臓マッサージも行いました。そして僕たちの決死の治療の甲斐なく、その3歳の男の子は手術中に亡くなってしまったのです…。

 

医師として駆け出しの頃だった僕は初めて患者さんの死に対して泣きました。そして手術創の縫合処置をしている間、ずっと涙が止まりませんでした。僕の上司に「これくらいのことで医者が泣くんじゃない!」って怒られましたが、声を出したのはそれっきりで手術室には最後まで沈黙の時間が流れました。

 

隣の手術室では母親の整形外科手術が終わっていました。手術場から出て集中治療室へ行く時に、僕たちの手術室の前を通りました。ストレッチャーの上で心配そうな顔をしていた母親に「息子さんは手術中に出血性ショックで亡くなりました」とお伝えしたところ、火山が噴火したように泣き叫び出しました。そして手術場から出て行くまで、ずっとこちらの方に向かって、何度も何度も男の子の名前を大声で叫び続けていました…。

 

今でもその時の映像を鮮明に思い出すことができます。交通事故に遭った僕の息子は幸い命に別状なく、ありがたいことに怪我の具合もかなり回復してきましたが、その一方で一瞬のうちに命を失ってしまう人もいるのが交通事故です。みなさんも交通ルールはきちんと守って、誰も不幸にならないように気をつけましょう。医師である僕からのお願いです^ ^

 

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<本日のブッダの言葉>

「これは、わたしのしたことである。在家の人々も出家した修行者たちも、ともにこのことを知れよ。およそなすべきことなすべからざることについては、わたしの意に従え」ーー愚かな者はこのように思う。こうして欲求と高慢とがたかまる。

『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村 元 訳より

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それではまた^ ^