日々の外来診療をしていると、スーパーおじいちゃんやミラクルおばあちゃんに出会うことがあります。何が”スーパー”で、なぜ”ミラクル”なのかというと、それはかなりの高齢にも関わらず、びっくりするくらい元気で、見た目年齢も信じられないくらい若々しいおじいちゃん・おばあちゃんだからです。まず彼・彼女らの共通点ですが、90歳以上の超高齢者なのに・・・
・自分の脚で歩くことができる
・自分の歯が残っている
・肌つや、血色が良い
・よく食べる
・なぜ病院を受診したのか不明（＝すごく元気）
といったところになります。例えば先日受診した90歳以上のスーパーおじいちゃんですが、普通に診察室に杖なしで歩いて入ってきて「先生、わしゃボケよんかのお？」といった感じで世間話を（一方的に）始めました。今自分が好きでやっていることや、近所の人の悪口など喋りまくり、気が済んだら「先生、また来るわ」と言って颯爽と帰っていきました。
どうすればそのようなスーパー・ミラクルな状態を維持できるのか、僕は医者になった頃からすごく興味があったので、スーパーおじいちゃんやミラクルおばあちゃんに遭遇した時には必ず”健康の秘訣”について質問してきました。彼らは特に健康に気をつけているわけでもないようですが、ある程度の共通点がありました。それは、
① 毎日歩く
② なんでも食べる
③ 没頭できるものがある
です。まず①は足腰の筋力を維持する上で欠かせません。高齢者が歩けなくなると一気に健康状態が悪くなります。また脳の萎縮や神経細胞の死滅には脳血流の減少が関与しているため、運動によって血行を促進することは重要です。
また②に関しては、魚や野菜中心の人が多いように思っていたのですが、意外にも魚が嫌いで肉しか食べない方や、野菜が大嫌いといった方もいました。甘いものに目が無い人もいましたし、食生活に気を使っている人は意外と少なかった印象です。まあでも、なんでも好きなものを食べるけど、食べ過ぎないようにするということが一番大切なのかもしれません。
最後に③ですが、健康寿命の長い人は没頭できる自分の好きなものを持っている人が多いです。これも人それぞれなのですが、具体的な例を挙げると、畑仕事、絵画、株のトレード、カラオケ、大衆浴場、体操などなど様々です。そして、自分の好きなもの以外にはほとんど無頓着で、ストレスがたまりにくような性格の方が多いです。
いずれにしても人生は一度きりで、必ず死ぬと決まっているので、人生最後まで幸せに生きるために一番必要なものは”健康”だと断言できます。外来診療で遭遇するスーパーおじいちゃんやミラクルおばあちゃんの素敵な笑顔を見ていると、本当にそう思います。
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＜本日のブッダの言葉＞
眠れない人には夜は長く、疲れた人には一里の道は遠い。正しい真理を知らない愚かな者どもには、生死の道のりは長い。
『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村 元 訳より
それではまた^ ^
