僕は本を比較的たくさん読む方だと思います。一年間読んだ本の数を数えていたこともありますが、毎年100〜150冊くらいの本を読んでいます。自分が読んだ本の中で、これは大事なことを書いてるなとか、この表現は上手いなあと思ったところを全てメモで記録してきました。というのも、僕は読んだ本の内容がほとんど記憶に残らない人間だからです。学生時代に激しいコンタクトプレイのあるスポーツをしていて、頭部を強打した頃からこの症状が始まったように思えます。先日、新庄剛志さんの『スリルライフ』という本を図書館で借りて読んだのですが、次のようなことが書かれていました。
Q12.本を一冊も読んだことがないというのは本当?
はい、人生で一冊もないです。僕は子供のころ、8回交通事故にあったんです。その4回目のときから字が読めなくなりました。まったく読めないわけではなく、文章として理解するのにかなり時間がかかるんです。
僕は字が読めないわけではないのですが、読んだ文章がほとんど記憶に残らないという点では少し近いものがあるのかなあって思いました。自分の読んだ本の記憶が無くなっていくという恐怖もあってか、記憶に残したい文章などをずっとメモで残し続けていたのですが、実は今年に入ってから記録することをやめました。それは「本を読む」ということが「メモを残すための作業」になりつつあったからです。
本を読み終わった後の”メモに残す作業”が終わらないと、そればかり気になって次の本を読み始めることができないし、本を読んでいる時にメモに残しておきたい文章を探す作業ばかりしてしまっている自分に気がつき、何やってんだろう…ってふと思い始めたのです。というわけで、今は誰に(自分自身に)気兼ねすることもなく、いろんな本を次から次へと楽しんで読めるようになりました。
いずれにしても、本を読むことは素晴らしいことだと思います。普通に生きていたら会うこともできないようなすごい人の話や、もう死んでしまった歴史に残る人物の話を、”本を読む”ことで間接的に聞くことができます。読書というものは時間と空間を越えて筆者の話を聞くことができます。となると無理に本の内容を記憶する必要もなく、読みたい本をその時に手にとって読めばいいだけなんです。なので僕は図書館や本屋に行くのが大好きだし、本に囲まれた空間で生活するのがやめられないんです^ ^
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<本日のブッダの言葉>
学びにつとめる人こそ、この大地を征服し、閻魔の世界と神々とともなるこの世界とを征服するであろう。わざに巧みな人が花を摘むように、学びにつとめる人々こそ善く説かれた真理のことばを摘み集めるであろう。
『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村 元 訳より
それではまた^ ^